4D Chart ドキュメントは、グラフ、軸ラベル、入力したテキスト、ピクチャなどの異なるオブジェクトから構成されます。4D Chartを使用すると、プログラムでこれらのオブジェクトを処理できます。
 この節では以下の内容に対して、どのようにプログラミングするかを説明します:
 - オブジェクトへの参照
- オブジェクトの配置場所 (座標) の指定
- コマンドのスコープ指定
4D Chartドキュメントのすべてのオブジェクトには、一意な番号が与えられています。この番号は、オブジェクトのIDであり、オブジェクトが作成されるときに割り当てられます。 
 これは、グラフの作成、ツールパレットでのオブジェクトの描画、クリップボードからのオブジェクトの貼り付け、複数のオブジェクトのグループ化、既存のオブジェクトの複製、フィールド参照の貼り付け等をするたびに、新しいIDが割り当てられることを意味します。オブジェクトIDは一意の為、IDはオブジェクトを参照する便利な方法です。オブジェクトIDがドキュメント内部で再使用されることはありません。たとえオブジェクトが削除されても、その番号はドキュメントがある間は "廃棄" されています。
 オブジェクトIDは転送可能ではありません。ある4D ChartドキュメントのIDが5であるオブジェクトは、別のドキュメントに貼り付けられると必ずしも同じIDにはなりません。
 標準オブジェクト作成コマンドはすべて関数であり、結果のオブジェクトのIDを返します。パレットでユーザが作成したオブジェクトとは違い、コマンドで作成されたオブジェクトは自動的には選択されません。
 CT Get ID関数を使用するとオブジェクトのIDを取得できます。
オブジェクトの位置とサイズをそのオブジェクトの座標といいます。座標の説明または指定を行うすべてのコマンドは、ポイント単位で行います。
 位置の説明や指定を行うコマンドは、原点に対して行います。原点は横のルーラと縦のルーラのゼロ点の交差です。次の図は、座標システムを表しています。
 
多くの4D Chartコマンドにはscopeという引数があります。scopeは4D Chartドキュメントのどのオブジェクトまたはテキスト文字が、コマンドから影響を受けるのかを指定するものです。
 次の表はscopeの一般的な規則を説明しています。scopeが与えられたコマンドにどのように影響するかは、コマンドごとの説明を参照してください。
  | スコープ | 影響を受けるテキストまたはオブジェクト | 
| >0 | オブジェクトID | 
| 0 | 選択されたオブジェクト | 
| -1 | ドキュメントのすべてのオブジェクト | 
| -2 | デフォルト値 | 
| -3 | テキストオブジェクトで選択された文字 |